「耳まで真っ赤」


ひんやりした指先で耳に触れられ、余計に熱くなる。


私の心臓はこんなにバクバク暴れているのに、遥輝は平静だ。


いいように扱われている気分になってなんだか悔しいけど、遥輝には敵わないや。


「…ホント分かりやすいヤツだな。考えてることが全部顔に出てる」


…じゃあ私の恋心も?


分かったうえでこんなことしてくるの?


私のことを弄んでる…?


からかって面白がってるだけ…?


「今不安になっただろ。分かりやすー」


ニヤニヤしながら私の手を引いて歩く遥輝は、ずいぶん大人に見えて、一学年違いとは思えなくて。


私はただの妹的存在なのかもしれないなって思わされたんだ。


でも、それでもいい。


遥輝が私のことをどう思っていようと、遥輝のそばにいられたらそれでいい。


命が尽きるときまで、近くにいたいよ…。