そんなこと気にしてくれてたんだ。


やっぱり遥輝は優しい人だ。


こんなにたくさん優しさに触れたら、もう離れたくなくなっちゃうよ…。


その思いが行動に出てしまったのか、気がついたら遥輝の手を握っていた。


自分の行動に気がついたのは、遥輝がフッとイタズラに笑うから。


「ごっ、ごめん!無意識で、つい、あの…」


パッと離そうとしたけど、強く握り返されて離せなくて。


意地悪な視線に絡め取られて顔が沸騰しそうなくらい熱い。


「なんで離そうとすんの?そっちから繋いできたクセに」


「いや…その……」


私ったら、なんで自分から手を繋いだりしちゃったんだろう。


これじゃまるで好きだって伝えてるようなものじゃん…。


どうしよう、恥ずかしくて遥輝の顔を見れない。