「ねぇ、今までずっとこれだけ渡してたの?」 正直言って、この質問は"確認"なんかじゃない。 僕に、僕らに嘘をついたことを後悔させるために聞 いた。 「いっいえ……… そっそんな…、こと……」 この言葉に怒りがどんどん湧いてくる。 「ねぇ、咲良? 今まで、これだけだったの?」 咲良はちょっと躊躇った後、遠慮がちに頷いた。 「えーっと………はい。」 手の力をぐっと強め、今まで気づかなかったことを 深く後悔した。 っ………許せない…