ーガラガラ


あれ。人が寝てる。

俺は、先生に呼ばれて保健室を

去った時間に来た生徒を見つめた。

なんてキレイなひとなんだろう。

顔を見て、

俺はびっくりした。

鶴舞梨香だ…

なんで名前を知ってるかって?

そりゃあ、この学校で鶴舞梨香を

知らないヤツはいないほど、

有名だから。

すごく…可愛いって人気だから。

あと…俺が好きな人だから。

でも…









……なんだか苦しそう。




そう思った時だった。

「うぅ…」



俺は気づいたら、鶴舞梨香が寝てる

ベッドに寝転がって、

抱きしめていたんだ。




鶴舞梨香、いや、

梨香が可愛いすぎて…

その声にそそられて…















「へ?」

あ、起きたのか?

「ん… あ、起きたんだ。おはよう。」

「おはようございます。」

おはようございますって…

梨香は天然なのか?

まあ、可愛いからいいけど。






「あーっ!なななんで同じベッドで

寝てるんですか!?」

そんな…なんで?って…

「えー。梨香が好きだから?」

「ほへ?」

あー。

反応がいちいち可愛過ぎる…

自分が大胆なことをしたのは

わかってるけど…

これもぜーんぶ梨香がわるいんだよ?


*****
次の日。

俺は保健委員の仕事をしに、保健室へ。

梨香いないかなー?

いた。

ん?

保健室の先生に事情を聞いた。



「あとはよろしくね。橘くん」

「はい」

今、冷静さを保っているつもり

だけど声が震えているのを

感じた。

「梨香…!大丈夫!?」

「大丈夫です!」

「もう!心配したんだからね?」

「な、なんであなたが!」


あなた?

あなたじゃなくて秋人って呼んで。


…チュ




「な…!」

「前に言ったよね?

あなたじゃなくて秋人って呼べない

悪い子にはお仕置しなくちゃね?」

「ちょ!?お仕置きって!?」

「ん…」


「やっ…あっ…

もう、息が…秋…人…くん…」

「止まんない」

ねえ。梨香はさあ。

自分がどれだけ可愛いか知ってる?

俺は、梨香が入学して、

初めて見た時からずっと好きなんだよ?

こんなにほしいって

感じたことなかった。

ー梨香は俺にとって、唯一無二の

存在なんだよ…?