ああ。まただ。

頭がくらくらする。


「先生保健室いってきます」

「おう。気をつけていくんだぞー」


私、鶴舞 梨香はもともと

体調を崩しやすかった。

そのせいで、保健室に通うことが

多々あった。

今日はなんだか頭がいたい。

ベッドをかりて、少し休もう。


「ふぅー。」

ベッドに横になったら、

あんなに頭がいたかったのに、

少し楽になってきた。


私はそのまま目を閉じた。















なんだか暖かくて心地良い。

まるで、誰かに包み込まれている

ような…

「ん…」

ん?今、男の子の声がしたような?

驚いてまぶたを開けてみると、

「へ?」

ああ…

なんてキレイな人だろう。。

容姿は欠点がいくら探しても

見つからないほどの完璧イケメン。

おまけにモデルさんのようなスタイル。

ホントにこの人は

この世に存在するのかと

疑ってしまう。

じっと見つめすぎて、さすがに

相手も私に気がついた。


「ん…。あ、起きたんだ。

おはよう。」

「おはようございます。」

……






「あーっ!!!

ななななんで同じベッドに

寝てたんですか!?」

「え…

なんでって言われても…

梨香が好きだから?」

「ほひ?」

驚いて、変な声がでちゃったけど、

今、何て言った?

「あ、あの…?」

「梨~香が、す~きだから。

好きだから抱きついて、何が悪い?」

「い、意味が分かりません!!

女の子にいきなり抱きついたら

いけません!!!

まずなんで私の名前、

知ってるんですか!?

私、あなたの名前も知りませんし…!」

「好きな人の名前は

知らなかったらすぐに調べるでしょ?

あと、あなたじゃなくて、秋人って

よんで。

俺の名前、橘 秋人だから。」

「ちょっとちょっと!?

待ってください!!

あなた私より、年上ですよね!?」

「あ?そうだけど…?

てか、秋人って呼べって言ったよね?」

「あれ、よべない?」

「あ、秋人…くん…?」


「そう。

こんど、あなたってよんだら、

次は、キスしちゃうぞ♡」

「ど、どういうことですか!?

わ、私帰ります!!」

「ちょっと!?まだ話が…

まあいっか。また来るね。梨香。」








もう無理だよ…!

なんであんな人と会ったの!?

いきなり抱きついて。

いきなり告白して。

もうなんなんだろう!

また来るねって…!

もう会うはずないのに…

あれ?いま、ちょっと心が

チクってしたのは

気のせい?

まあいいや。

これからは極力保健室には

行かないようにしなきゃ!