「ウォルター、あそこの門の近く……あれ、何かしら」
庭園から少し離れた場所にある門のあたりで、馬に乗った騎士が一人見えた。よほど急いで来たのか馬が興奮して落ち着きがなく、必死で手綱を引いている。
無事の報せかその逆か。
ウォルターと私は近くの扉から飛び出して、その騎士に駆け寄った。
「……伝令です!」
手渡された伝令をウォルターが急いで開いている途中で、馬から降りた騎士が言った。
「全員無事です! 魔獣の封じ込めも成功しました。ただ、多少ケガ人が出ているので帰還が遅くなります。この庭園に臨時の救護所を設置してもいいでしょうか」
「もちろんです。奥様、よろしいですね? 残った騎士に準備をさせましょう。奥様?」
私はウォルターから伝令を奪い取り、必死で読んだ。内容は伝令を持ち帰った騎士が口頭で伝えてくれたものと同じだったが、私の目からはウォルターが心配するほど涙がポロポロとこぼれていたらしい。
「緊張が解けたのですね、奥様はゆっくりお休みください。もう大丈夫ですよ」
「ありがとう……」
屋敷の方に向かいながら、私はその伝令を大切に折りたたんだ。
手書きで書かれたその伝令の筆跡は、『アルヴィラ』で働いていた時にもらったユーリ様からの手紙のものと同じだった。
庭園から少し離れた場所にある門のあたりで、馬に乗った騎士が一人見えた。よほど急いで来たのか馬が興奮して落ち着きがなく、必死で手綱を引いている。
無事の報せかその逆か。
ウォルターと私は近くの扉から飛び出して、その騎士に駆け寄った。
「……伝令です!」
手渡された伝令をウォルターが急いで開いている途中で、馬から降りた騎士が言った。
「全員無事です! 魔獣の封じ込めも成功しました。ただ、多少ケガ人が出ているので帰還が遅くなります。この庭園に臨時の救護所を設置してもいいでしょうか」
「もちろんです。奥様、よろしいですね? 残った騎士に準備をさせましょう。奥様?」
私はウォルターから伝令を奪い取り、必死で読んだ。内容は伝令を持ち帰った騎士が口頭で伝えてくれたものと同じだったが、私の目からはウォルターが心配するほど涙がポロポロとこぼれていたらしい。
「緊張が解けたのですね、奥様はゆっくりお休みください。もう大丈夫ですよ」
「ありがとう……」
屋敷の方に向かいながら、私はその伝令を大切に折りたたんだ。
手書きで書かれたその伝令の筆跡は、『アルヴィラ』で働いていた時にもらったユーリ様からの手紙のものと同じだった。