ダメダメ、想像しちゃ。

 旦那様はこういう方がタイプなのかしら。それなら、私のことを「愛するつもりはない」と言ったのも頷ける。だって、私はこんなに知的なクールビューティータイプじゃないもの。

 ……あ! もしかして私がこの方みたいな雰囲気にイメージチェンジしたら愛するようになってくれるのかしら。それなら、「今のところは愛するつもりがない」って言ったのも分かる。そのうち私がクールビューティーに化けることがあるかもしれないという可能性に賭けたのね。

 ちょっと私ったら……あの言葉の真相、分かっちゃったんじゃないの?

 色々考えながら百面相する私に、クールビューティさんが私の顔を覗き込んで話しかけてきた。

「……ねえ、頭痛いの? 大丈夫? ちょっとだけ中で待たせてくれるかしら。リカルドを探して来てくれると助かるわ。もちろん、不在なんだったら、またあらためるから」

「承知しました。それではサロンにご案内いたします。失礼ですが旦那様にお伝え致しますのでお名前を伺ってもよろしいですか?」

「カレンです。カレン・ゲイラー」

 カレン様。旦那様の同期の方。
 承知しました。

 ……さて、ここからサロンへはどうやって行けばいいのかしらね。