「俺の秘書になるからには安っぽい格好は控えてもらう」

安っぽいって何じゃい、安っぽいとは!

余計なことを言っていいことと悪いことがあるぞ!

「そう言う訳で、これから買い物に行くぞ。

全身全てコーディネートさせてもらう」

「は、はい…」

私は返事をすると、ソファーから腰をあげた。

「化粧品とかはどうしてる?」

「全て近所の薬局で調達していますが…」

「変える必要があるな、ビューティーアドバイザーにアドバイスをお願いして基礎化粧品を決めてもらおう。

アイシャドウや口紅も、君の肌色にあうものを各ブランドからピックアップしてもらおう」

そこまでする必要あります!?

そう思っていたら、社長は私の髪を指ですくった。

子供の頃から黒髪のショートボブにしているこの髪に何か文句でもあるのだろうか?