校門を出て五分くらい経った頃、前に舞美に言われた事を思い出した。
『二見先輩ってさ、恵里菜と一緒だと何か雰囲気違うよね』
『そうかな?』
『そうだよ。他の人と居る時はそんな事無いのに、恵里菜と居る時だけ距離近くて、周りから見ると恵里菜は特別って感じだよ』
『先輩は優しいし人当たり良いから、誰にでもそんな感じでしょ』
『確かに二見先輩は色んな人と仲良いけど、誰にでもベタベタする人じゃないと思うよ。他の人とはどこか壁を作ってる様に見える。皆に優しいけど、優しいだけ。なのに恵里菜にはくっついてきたり、意地悪してくるんだから、期待しても良いんじゃない?』


