私がそんなことで悩んでいるとは知らないであろう二見先輩が、私の教室にやってきた。
「恵里菜ー、帰ろう」
今日は舞美達がデートで、二見先輩と一緒に帰る約束をしていた日だった。
「忘れ物無い?」
「ありません」
「よーし」
そう言いながら先輩が私の頭にぽんっと手を置いた。
これが困る。
先輩には意味の無い行為でも、私をときめかせるには十分だ。
手が少し触れるだけで胸が騒がしくなる。
「じゃあ、行こうか」
先輩に軽く腕を引っ張られ、教室を出た。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…