「ごめんなさい……」
泣き出してしまいそうな咲也の顔を見て、サクヤ姫は面倒臭そうな顔をする。頭をガシガシと乱暴に掻き、「お前、わらわの手を見ろ!」と言った。
サクヤ姫が握り拳を作り、再びその手を開けるとそこには桜餅があった。淡いピンク色の玉状の餅が塩漬けされた桜の葉に包まれており、ふわりといい香りが漂う。咲也の涙はおいしそうな桜餅を見て引っ込んでしまった。
「わらわは今、腹がいっぱいじゃ。だからお前が食え。桜餅もおいしく食べてくれる奴に食べてもらった方が嬉しいじゃろうし」
気まずそうな目であちこちを見ながら、サクヤ姫は桜餅を咲也に差し出す。目を輝かせた咲也は、「わぁ、ありがとう!」と言いながら桜餅を取り、口の中に入れた。
「おいし〜!」
ふわりと口の中に広がる小豆の甘さに咲也は喜ぶ。そんな様子を見て、サクヤ姫は頬を赤く染め、口元に手を当てる。
「お前、名前は何と言う?」
「咲也!八歳!」
「わらわと同じ名前か……」
泣き出してしまいそうな咲也の顔を見て、サクヤ姫は面倒臭そうな顔をする。頭をガシガシと乱暴に掻き、「お前、わらわの手を見ろ!」と言った。
サクヤ姫が握り拳を作り、再びその手を開けるとそこには桜餅があった。淡いピンク色の玉状の餅が塩漬けされた桜の葉に包まれており、ふわりといい香りが漂う。咲也の涙はおいしそうな桜餅を見て引っ込んでしまった。
「わらわは今、腹がいっぱいじゃ。だからお前が食え。桜餅もおいしく食べてくれる奴に食べてもらった方が嬉しいじゃろうし」
気まずそうな目であちこちを見ながら、サクヤ姫は桜餅を咲也に差し出す。目を輝かせた咲也は、「わぁ、ありがとう!」と言いながら桜餅を取り、口の中に入れた。
「おいし〜!」
ふわりと口の中に広がる小豆の甘さに咲也は喜ぶ。そんな様子を見て、サクヤ姫は頬を赤く染め、口元に手を当てる。
「お前、名前は何と言う?」
「咲也!八歳!」
「わらわと同じ名前か……」


