「やばい!遅刻する!」
学校への道を全力疾走していると、同じように前を走る人影に気付いた。
(あの人も遅刻かな?でも、あれって…)
私が考えを巡らしていると、その人はふいに角を曲がり姿を消した。
気になった私はこっそりと後を追い、塀から少しだけ顔を出す。すると、
「よしよし。お腹すいてるだろ?いっぱい食べろよ」
そこにはごはんをもらい、嬉しそうにクルクル回る子犬とクラスの皆からヤンキーとして恐れられている大神卓也の姿があった。