期待するな……と、何度も自分に言い聞かせる。
「か、勘違いではありませんっ……」
はっきりと聞こえた鈴蘭の声。
「私は……夜明さんが、好き、です」
緊張しているのか、鈴蘭の声が震えている。
「……本当、か?」
「ほ、本当です!」
「本当に、本当なんだな?」
「はい……!」
「だが、白神は……」
「お伝えする機会をずっと逃していたんですが……私は夜明さんに婚約を申し込まれた時点で、ルイスさんへの気持ちは恋愛感情ではありませんでした」
俺の、勘違いだったのか……?
「そう、だったのか?」
「ルイスさんにあるのはもう感謝の気持ちだけで……他意はありません」