魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

『あんたって……本当に可愛くない子。役立たずで可愛げもなくて、星蘭とは大違いね』


『ふふっ、お母さん、言い過ぎ』


これは……誰の視界だ?


今わかっているのは、ひとりの女性と星蘭が、視界の人物を蔑むような発言をしているということだけ。


それに……不敵に微笑む星蘭は、俺の知っている星蘭ではなかった。


性根が腐ったような、可愛げのかけらもない表情。


『まあ、お姉ちゃんがなーんの価値もない人間だってことは……間違ってないけど』


お姉ちゃん、だと……?


おい、待て。こいつが見下すような言葉を吐いている相手は、鈴蘭なのか……?


俺の中で、何かが崩れていく感覚に襲われた。