魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

今までの分も、たくさん……。


――コン、コン、コン。


「鈴蘭」


突然鳴ったノックに、びっくりして肩が跳ねる。


「は、はい……!」


「用意が終わったら、リビングに来てくれるか? 迎えが来るまで……話したいことがあるんだ」


話したいこと……?


「わ、わかりました」


そう返事をすると、夜明さんはリビングのほうに戻っていったのか、足音が聞こえた。


話ってなんだろう……もう支度は終わったから、私もリビングに行こうかな。


「あの……行ってきます」


左藤さんと右藤さんにぺこりと頭を下げて、夜明さんのもとに急いだ。


 


「もう終わったのか?」