魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

「どうした」


星蘭は肩をびくりと震わせた。


「ちが……な、なんですかこれは! これこそ、誰かが企んで……」


「俺の能力が偽物だと? まあ……これだけでは、鈴蘭が無実だということの証拠としては、弱いかもしれないな」


意味深な言い方をした黒闇神。


「だから、俺がすべてを見せてやる」


すべて……? 


これ以上、どんな真実が待っているというのだ。


「見たいやつだけ目を閉じろ。ここには真実だけが映る」


黒闇神の能力を借りるのだけは嫌だった。


だがそれ以上に、こいつの言う“すべて”とやらが気になった。


そっと、目を瞑る。


見えたのは――悲惨な光景だった。