「女神争奪戦になるだろうな……」


俺も無意識に、手に力が入る。


「黒闇神家の婚約者だとしても、ブランのやつらは容赦しないよ」


「あんなやつら、脅威でもなんでもないだろ」


夜明さんにとってはそうかもしれないが、物理的能力がない鈴蘭は捕まってしまえば抵抗もできないだろう。


一番怖いのは、誘拐だ。


もちろん……そんなことにならないよう、俺たちが今まで以上に警護する。


「鈴ちゃんのことは――俺たちが、絶対に守ってあげよう」


全員、思っていることは同じらしい。


誰が奪おうとしたって、必ず守ってみせる。


鈴蘭は――俺たちのものだ。