この人からしたら……女神だから婚約したと思われるのは気に入らないのかもしれない。


ただ、女神の生まれ変わりが鈴蘭であることは、黒闇神家にとっても喜ばしいことには変わりないから……複雑なんだろう。


「俺の鈴蘭への愛は少しも変わらない」


それは……俺たちも、そして鈴蘭にもきっと伝わっているはずだ。


まあでも、婚約者同士であることには変わりない。


鈴蘭も夜明さんを好きになっているだろう……。


そう思った時、なぜか胸が少し痛んだ。


最近、よくこの痛みを感じる。


一体なんなんだ……。


「でも、これから大変だね」


百虎の表情が、少しこわばったのがわかった。