魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

だが、鈴蘭と夜明さんの姿は見当たらない。


代わりに……ブランの生徒たちが騒然としている光景が広がっていた。


「まさか……双葉鈴蘭が、女神の生まれ変わりだったなんて……」


――は?


聞こえた声に、自分の耳を疑う。


今こいつ、なんて言った?


「うっ……」


「おい……!」


急に口を押さえ、しゃがみこんだ百虎妹。


「みんなが叫んでて、耳が痛い……気持ち悪い……」


叫んでる……? 確かに何人か喚いてるけど……みんなが叫んでいるという表現は間違っているように思う。


……もしかして、心の中でってことか?


「これ、どういうことだ……?」


「みんな……絶望してる……」