魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

こいつは、読心能力がある。これは……鈴蘭の心を読んだ上で言っているんだろう。


「何かに、とても怯えてた……心が、助けてって叫んでた……」


「どういうことだ?」


「鈴蘭の後をつける……多分、ブランに行ったはず……」


「そう言ってたのか?」


「ブランに急がなきゃって聞こえた……あの男にも伝えて……」


あの男というのは、多分夜明さんのことだろう。


「わかった」


俺は言われた通り、すぐに夜明さんに電話をかけた。


いつもならこいつの言うことなんて死んでも聞かないけど、今はそんなことも言っていられない。


鈴蘭が危ないと思うと、心配でどうにかなりそうだった。