魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

こんなトリッキーな能力があれば、悪事を暴くのも簡単だっただろう。


だが、今までかたくなに隠していた能力を、こんな大勢の生徒たちに晒すなど……。


バカだとしか言いようがない。


能力を晒してでも、鈴蘭の無実を証明したかったということか……。


俺だったら、生涯隠し通すほどの希少な能力だ。


……いや、今は能力のことはいい。


それよりも……星蘭だ。


あいつ、さっきまでは鈴蘭を責め立て、被害者ズラをしていたくせに……まさか全て自分が仕組んだことだったとは……。


「こ、れは……」


目を開けると、真っ青な顔をした星蘭の姿が映った。


「星蘭、お前……」


俺を……騙したな……ッ。