魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

「ふたりとも、ありがとうっ……」


私は……本当に素敵な友達に恵まれた。


初めての同級生の友達が、ふたりでよかったっ……。


さっき夜明さんが言ってた……“女神の加護”。


周りにいる人に、幸運を運ぶなら……みんなにも、幸運が降り注ぎますように……。


「同級生組は仲よさそうで、嫉妬しちゃうな~」


「うるさい……」


百虎さんと美虎ちゃんのやりとりに、ふふっと笑みがこぼれた時、部屋の扉が開いた。


「鈴蘭、待たせたな」


夜明さんが戻ってきて、美虎ちゃんがゆっくりと私から離れる。


「悪いが、今から支度できるか? すぐに実家に向かいたい」


「は、はい……!」


もう、今から……。