魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

「それは母親のサポートのおかげなどではない。ただ鈴蘭の女神の加護が働いていただけだ」


そんな……。


「お前の近くにいるもので、不幸になったやつはいないはずだ。それは、鈴蘭の能力が働いていたからだ」


その言葉に、私の脳裏にはひとりの人物が浮かんだ。


「違い、ます……」


だって……私が一番大好きだった、先生は……。


私のせいで、学校の先生をやめさせられて、どこかに行ってしまった。


これは、まぎれもない不幸だ。


「先生、か?」


「……っ」


どうして、先生のことを……。


そう思ったけど、夜明さんが私の過去を知っていたことに気づいた。