魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

話のスケールが大き過ぎて、理解が追いつかない。


「存在するだけで、一族に繁栄をもたらす能力。周りの人間に幸福を運ぶといわれている」


自分がそんな大それた存在だと言われて、はいそうですかなんて受け入れられなかった。


「鈴蘭の育ての父親は……母親と再婚してから事業が軌道に乗ったはずだったな?」


え……? どうしてそれを……。


夜明さんの言う通り、お父さんはお母さんと再婚する前は、会社から独立したはいいものの、経営がうまくいかず、破産寸前だったそう。


でも、お母さんと出会って、嘘みたいに事業が軌道に乗り始めて……。


いつもお父さんはお母さんのことを、君は勝利の女神だって言っていた。