魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

私の質問に、夜明さんだけじゃなくほかのみんなも困惑していた。


まるで、何を言い出すんだというような表情。


「どうしてそう思った?」


「ブランの皆さんが……女神の生まれ変わりだって、悲鳴をあげるように叫んでいたので」


「ああ……むしろ逆だ」


夜明さんはそう言ってから、やわらかく微笑んだ。


「女神は、幸運の象徴」


「幸運の……?」


「ああ。お前は幸運を呼ぶ女神だ」


私、が……?


「女神は、何か物理的な能力を使えるというわけじゃない。ただ……『女神の加護』という能力を持っている。それは常に発動状態である能力で、この世で最も価値があるといわれている能力だ」