夜明さんはそっと、私を抱きしめてくれた。


「大丈夫だ。病気ではない。能力の一種だ」


「能力……?」


「ああ。だから怯えるな」


夜明さんが優しく背中を撫でてくれているおかげで、少しだけ気持ちが落ち着く。


でも、能力ってことは……やっぱり誰かの能力にかかっているってことかな……?


私は人間だから、能力を使えるはずがないし、そうとしか考えられない。


謎が深まる中、勢いよくドアが開く音が聞こえた。


どしどしと慌てているような足音がいくつも響いている。


何事だろうと顔を上げると、リビングの扉が開き、4人が入ってきた。


「夜明!!︎」


百虎さん、美虎ちゃん、雪兎さん、司空さん……。