言われるがまま、深呼吸する。
少しだけ平静を取り戻して、ゆっくりと目を開いた。
そして、ハッとする。
夜明さんの瞳を真正面から見て、私以上に……夜明さんのほうが、冷静さを失っていることに気づいたから。
取り乱しているとか、そういうことじゃなく……瞳の奥が戸惑うように揺れていた。
いつも冷静な夜明さんがこんなふうにうろたえているなんて……やっぱり……。
「女神の生まれ変わりって、なんなんですかっ……?」
私は何か……悪い状態なのかもしれない。
「私の髪、急に変わって……びょ、病気なんじゃ……」
「落ち着け」
その声は、まるで自分にも言い聞かせているように聞こえた。