そう思ったけれど、私を見ているルイスさんの瞳は、いつものような冷たいものではなく、むしろ何かを訴えかけているように見えた。
「俺は……お前を――」
「黙れ!!」
ルイスさんの声を遮ったのは、夜明さんの低い声。
まるで威嚇するように、ルイスさんを睨みつけていた。
「行くぞ、鈴蘭」
ふたたび走り出した夜明さんに、私もぎゅっとしがみつく。
「ちっ……能力を使えないのが鬱陶しい……!」
いつも冷静な夜明さんが、こんなにも焦っているなんて……。
やっぱり、私の体は何かおかしなことになっているんだ……。
不安で不安で、ただ抱きつく腕に力を込めた。