魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

視線を向けたが、生徒が大勢いすぎて誰の発言だったのかわからない。


そして、周りにいる生徒たちが、哀れむように俺を見ていることに気づいた。


いや、哀れみでもないかもしれない。


あんな女に騙されて……と、あざ笑っているやつもいるだろう。


俺自身、まだ信じられない。


こんな女に騙されたという事実が。


くそ……くそ、くそっ……!!


『ルイス、さんっ……』


声を押し殺して泣く鈴蘭の姿を思い出し、ハッとする。


そうだ……まだ黒闇神に取られたと、決まったわけではない……。


これ以上醜態を晒すのはやめだ。