もう……俺たちが記憶を見てしまったことは、鈴ちゃんにバレたはずだ。


夜明も、ちゃんと謝ったって言ってた。


だったら……俺も、きちんと謝りたい。


「あのさ、鈴ちゃん。ちょっとだけふたりで話さない? おすすめの場所があるんだ。夜明には内緒で」


俺はそう言って、鈴ちゃんを連れ出した。


話が終わったら、すぐに返すから……少しだけ借りるね、夜明。





「わあっ……!」


綺麗なバラ園を見て、鈴ちゃんは目を輝かせていた。


花が好きだから……鈴ちゃんはきっと喜んでくれると思ったけど、ここまでいいリアクションをしてくれるとは。


連れてきた甲斐があるな。


「ここ、いいでしょ」