魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

雪兎さんはなんだかんだ言って……百虎さんに一番気を許している気がするから。


百虎さんはみんなのお兄ちゃんなんだろうな……ふふっ。


夜明さんも、百虎さんと話す時は自然体でいる気がするし、それだけ優しくて気遣いができる人なんだと思う。


実際に、一番周りのことを気にかけているのは百虎さんだと私も思う。


「雪兎さんが来てくれたら、美虎ちゃんも喜ぶと思いますよ……?」


「鬱陶しがるの間違いだろ」


ふんっと鼻を鳴らした雪兎さんは、どうやらお見舞いに行く気は皆無みたい。


仕方ない、無理強いするのも迷惑だろうから、諦めよう……。


「あの、夜明さんも、ご一緒に……」