魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~



一生徒の結界なんて、夜明さんにとってはないようなものらしい。


この人……瞬間移動使ったな……。


外の気温が一気に中に入ってきて、さっきまでの寒さは嘘のように暖かくなった。


あーあ……もう少し、ふたりでいたかった。


「夜明さん……!」


鈴蘭は俺を抱きしめたまま、助けに来てくれた夜明さんを見ている。


夜明さんはというと……もちろん、俺たちの状況を見て顔を歪めていた。


次期魔王の風格を感じる、恐ろしい表情で俺を睨んでいる。


「……おい、何をしてる」


「え……?」


「お前に聞いている、雪兎」


やばい……。鈴蘭の記憶を見た時くらいキレてる……。


「これは……」