魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

俺にとっての普通は、否定されることだから。


「私は別に、魔族だから雪兎さんのことが好きなわけじゃないです。力が使えなくても、魔族じゃなくても……雪兎さんは雪兎さんで、素敵な人です」


そんなこと、ただの一度も言われたことがなかった。


やっぱりこいつはバカだ。


俺が素敵? 頭も目もおかしいんじゃないか。


「そういう……慰めは、いらない」


「慰めなんかじゃないです。思っているから伝えてるんです」


「俺には……冷然家の息子ってくらいしか、取り柄がない」


「違います。雪兎さんっていう存在に価値があるんです」


価値……?


「……ない」


「あります」


「ないって言ってるだろ」