魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

「雪兎さん」


俺の名前を呼ぶ声は、いつものように優しかった。


驚いて顔を上げようとしたけど、間に合わない。


それより先に――鈴蘭に抱きしめられたから。


……は?


触れている鈴蘭の体は、驚くほど温かい。


俺が冷たすぎるのか……鈴蘭が温かすぎるのか。多分、その両方だ。


「大丈夫。大丈夫です」


俺を強く抱きしめながら、耳元で囁いた鈴蘭。


「お前、なに、やって……」


「私、体温が高いんです。あったかいでしょう?」


あったかい……けど……それどころじゃない、っていうか……。


さっきまで止まりそうだった心臓が、今は驚くほど早く脈を打っている。


「は、離せ」