魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

こいつが鈴蘭に惹かれたのも、この記憶を見たからなんだろう。


こんな能力は反則だ。


くそ……。


「あ、れ……?」


鈴蘭の困惑した声が聞こえると同時に、辺りがまばゆい光に包まれた。


な、んだ……?


眩しくて、思わず目を細める。ゆっくりと再び目を開けた先には……髪と目の色が変わった、鈴蘭がそこにいた。


俺はその姿に、ごくりと息を飲む。


鈴蘭はただでさえずば抜けて美しい容姿をしていたが、その美しさは一層神々しく見えた。


現実かと疑うほど……まるで――女神のように。


め、がみ……?


……待て。


女神の髪と瞳は、澄み渡る空のような淡い水色。