鈴蘭は……俺がそんな事件を起こしたら、悲しむだろうな……。
あいつは……。
あいつだけは……悲しませたくない。
「ゆ、雪兎さん……!」
寒すぎて、幻聴が聞こえる。
もし数時間見つからなかったら、このまま凍え死ぬかもしれない。
最後に聞こえる声が鈴蘭のものなら、悪くないか……。
「雪兎さん……! 大丈夫ですか……!?」
俺はハッと、閉じようとしていた目をかっぴらいた。
朦朧としていた意識が、一気に覚醒する。
「……っ、鈴蘭?」
幻聴じゃ、ない……。
なんとか残った力でスマホを操作し、明かりをつけた。
見えたのは、まぎれもない鈴蘭の姿。

