魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~



鈴蘭は……俺がそんな事件を起こしたら、悲しむだろうな……。


あいつは……。


あいつだけは……悲しませたくない。


「ゆ、雪兎さん……!」


寒すぎて、幻聴が聞こえる。


もし数時間見つからなかったら、このまま凍え死ぬかもしれない。


最後に聞こえる声が鈴蘭のものなら、悪くないか……。


「雪兎さん……! 大丈夫ですか……!?」


俺はハッと、閉じようとしていた目をかっぴらいた。


朦朧としていた意識が、一気に覚醒する。


「……っ、鈴蘭?」


幻聴じゃ、ない……。


なんとか残った力でスマホを操作し、明かりをつけた。


見えたのは、まぎれもない鈴蘭の姿。