魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

これ以上体温が下がったら……冗談抜きで死ぬかもしれない。


俺は生まれつき――極度に寒さに弱い体質だった。


雪男族のくせに何を言っているんだと思うかもしれないが、これが俺が冷然家の出来損ないと言われる理由の全てだった。


寒さを操れる雪男族は、昔から重宝されていた。


俺ももちろん、気温を下げたり、吹雪を起こすことくらいはできる。


ただ……俺は自分の能力によって、自らが凍えるという致命傷を持っていた。


役に立たない能力。


自分の命を落として何かを守りたい時くらいしか、この力が役に立つことはないだろう。


なんとか入り口まで歩いて扉を叩こうとしたが、弾き返された。