魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

だからこそ、気に入らない俺みたいなやつが鈴蘭の近くにいることが、許せないらしい。


俺のせいで……鈴蘭に迷惑はかけられない。


やっかいなことになりそうだが、鈴蘭の名前を出された以上、応じないという選択肢はなかった。


「雪兎さん、どうしたんですか……?」


焦りが顔に出ていたのか、心配そうに俺を見つめている鈴蘭。


「……いや、何も」


こいつには……誰も近づけさせない。


俺は、女神の加護なんかどうでもいい。


そんなものに群がってくるやつらなんか……全員俺が追い払う。


「鈴蘭、ちょっと行ってくるから、お前は教室から絶対に出るな」


何か言いたそうな鈴蘭を置いて、俺は急いで教室を出た。