魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

『ルイス、さん……』


俺の名前を呼びながら泣いていた鈴蘭を思い出し、胸が痛む。


鈴蘭は……まだ俺のことを、想ってくれているだろうか。


そうだとしたら……もう一度、チャンスが欲しい。


今なら素直に認められる。


俺は――鈴蘭を愛していると。


もとより、一目惚れだった。


あの時の俺は鈴蘭に一生の愛を誓い、あれだけ毛嫌いしていた婚約を自ら選んだんだ。


鈴蘭に運命を感じた俺の直感は正しかった。


鈴蘭のほうを見ると、黒闇神と見つめあっている姿が視界に映った。


「俺は必ず、お前を守る」


……黙れ。


……そうだ、こいつさえいなければ……。