鈴蘭は、百虎妹に見せるために、いつも以上に綺麗にノートをとっている。


授業が終わって、熱心にノートの確認をしている鈴蘭を見て、無意識に口元が緩んでいた。


こいつ……本当に百虎妹のこと好きだよな。


まあ……周りの人間のこと、大事にするタイプなんだろうな……。


鈴蘭といると、なんていうか……大事にされてるんだって伝わってくる。


相手にそう思わせるほど、他人に対して丁寧に、愛情を持って接しているからだろう。


こいつと関わって、こいつのことを嫌いになる人間なんか……きっとこの世にいないんじゃないかと思うほど。


……いや、いたな。


あの、くそみたいな家族。あいつらはイレギュラーだ。