「はっきりとはわからないですけど……隠れて嫌がらせできるような場所はかぎられているので、裏庭か体育館倉庫とかじゃないですかね……」


「ありがとうございます……! この御恩はいつか必ず返します……!」


「そ、そんな大げさな……」


女の子たちにもう一度頭を下げてから、笑顔を返す。


私は急いで教室を出て、雪兎さんを探した。


言いつけを破ってしまうけど……雪兎さんが、ピンチかもしれないから……。


大事な友達が危ない時に、じっとなんてしてられない。


雪兎さんは私にとって、初めてできた同級生のお友達。


とっても大切な……ずっと友達でいたい人だ。


まずは体育館倉庫に行ってみようと走り出した私は知る由もなかった。


「ねえ、見た?」


「見た……女神様、やっぱりやばいね……」


「笑顔美しすぎて召されるかと思った……」


「あれは黒闇神様も落ちるよ……」


私がいなくなったあとの教室で、女の子たちが腰を抜かしていたことなんて……。