魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

だから、雪兎さんの言うことはちゃんと聞かなきゃ。


でも……やっぱり、おかしいな……。


いつもなら、雪兎さんの用事がある時も、ひとりにするのは危ないから一緒に行くぞって……声をかけてくれるのに。


何があったんだろう……。


教室から出ていく雪兎さんを、黙って見送る。


「ねえ、あいつら冷然さんのこと呼び出したんじゃない?」


小さな声だったけど、教室の隅で女の子たちが話しているのが聞こえた。


呼び出し……?


「ありえる……最近ますます反感買ってたもんね」


「ここのところ、そういうのも減ったと思ったのに……男って懲りないのかな」


なんのことだろう……。