魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

陰ではバカにされていたとわかったブラン生たちも、怒りをこらえきれない様子だった。


きっとこの中でもう、鈴蘭を疑うものはいないだろう。


ほかでもない黒闇神の能力だからというのが不満ではあるが、それ以上に今は鈴蘭への罪悪感が勝った。


今思えば、たまに何かを訴えかけるような目で俺を見ていた鈴蘭の表情を思い出した。


あいつは……鈴蘭は、何度も俺にSOSを出していた。


それなのに……。


俺は一度も、鈴蘭に確認を取らなかった。


鈴蘭が悪なのだと決めつけて、星蘭の言うことを鵜呑みにした。


もし俺が一度でも、鈴蘭に真偽を確認していたら……鈴蘭は、俺に話してくれていたかもしれない。