魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

「百虎さんも、やっぱり心配ですよね」


「……っ、え?」


なぜか、驚いた様子で目を見開いた百虎さん。


「あはは、そんなふうに見えた?」


きっと、百虎さんはすごく美虎ちゃんのことを大事にしてる。


美虎ちゃんもたまに百虎さんの話をしてくれるけど、「鬱陶しい」と言いながらいつも表情は穏やかだった。


きっと……美虎ちゃんのことを、ずっと守ってきたんだろうなって思う。


私以上に、心配なはずだ。


「学校が終わったら……お見舞いに行ってもいいでしょうか……」


美虎ちゃんの部屋にお邪魔したことはないけど、同じ寮に住んでいるのは確かだ。


「ありがとう。きっと鈴ちゃんが行ったら喜ぶよ」