魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~


そうだったんだ……。


あんまり能力の話はしないから、知らなかった……。


「昨日はいつも通りだったから、朝起きて異常を感じたのかも」


「そうなんですね……」


「明日にはケロッとしてるだろうから、そんなに心配しなくてもいいよ」


百虎さんはそう言ってくれるけど、はいそうなんですねとは言えなかった。


「でも……」


「……ん?」


百虎さんを、じっと見つめる。


「どうしたの? 鈴ちゃんに見つめられると、変な気分になっちゃうなぁ」


「……絞められたいのか?」


「じょ、冗談だって~」


夜明さんににらまれてあははと笑っている百虎さんは、やっぱりいつも通りには見えなかった。