そうだったんだ……。
あんまり能力の話はしないから、知らなかった……。
「昨日はいつも通りだったから、朝起きて異常を感じたのかも」
「そうなんですね……」
「明日にはケロッとしてるだろうから、そんなに心配しなくてもいいよ」
百虎さんはそう言ってくれるけど、はいそうなんですねとは言えなかった。
「でも……」
「……ん?」
百虎さんを、じっと見つめる。
「どうしたの? 鈴ちゃんに見つめられると、変な気分になっちゃうなぁ」
「……絞められたいのか?」
「じょ、冗談だって~」
夜明さんににらまれてあははと笑っている百虎さんは、やっぱりいつも通りには見えなかった。

