「私に対しては、そんな感じは一切ないと思います。なんていうか……本当に妹みたいに可愛がってくれてるって感じがするので」


 百虎さんの瞳にはいつも、親愛がこもっているように見えた。


「だからこそというか……美虎ちゃんのこと本当に大切にしてるんだってことも、伝わってくるよ」


 私の言葉に、美虎ちゃんは一瞬目を見開いた後、困ったように眉をハの字にしていた。


「うん……それはあたしも、伝わってる……」


 やっぱり、ふたりは相当仲良しで、通じ合っているんだなぁ。


「まあ、夜明さんの婚約者だし、さすがにあいつもお前に手を出すほど馬鹿じゃないだろうけど……俺たちの想像を超える馬鹿の可能性もある」


 ほ、本当に信用がないんだ百虎さん……ちょっとかわいそうになってきた……あはは。


「誰かに本気になることとか、ないんだろうなあいつは」


 雪兎さんは呆れながら、はぁ……と盛大なため息をひとつ吐いた。