魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

「……嫌だ……」


 美虎ちゃんには、一度断られているんだった。


「ふふっ、随分嫌われてしまっていますね」


 全部を察しているのか、後ろで司空さんがにっこりと笑顔を浮かべた。


 対して美虎ちゃんはというと、まるで汚いものでも見るような視線で司空さんを見ている。


 ほ、本当に苦手なんだなぁっ……。


 司空さんはいい人だと思うけど、きっと相性の問題かもしれない。


 私にとってはいい人でも、美虎ちゃんにとってはそうでない可能性だってある。


 みんなで仲良くしたいけど……価値観を押し付けるのはいけないよね。


「でも、鈴ちゃんもいるよ?」