魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

『ご、ごめんなさい……』


『あんたはあたしの言うことだけ聞いていればいいの』


『う、うん……ごめんね、ごめんね星蘭』


鈴蘭はそれ以上何も言わず、すべてを受け入れるように口を閉じた。


黒闇神が見せた記憶が終わって、目を開く。


腕時計を見て驚いたが、目を瞑ってから時間が経っていなかった。


あれだけ長い期間の記憶を見たというのに……。


でも、記憶を見たおかげで、他にも様々なことがわかった。


星蘭が作ったというしおりは、鈴蘭が作ってくれたものだったということ。


鈴蘭は本当は黒闇神について、なにひとつ知らなかったこと。