魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

 教室の前についた時、ちょうど美虎ちゃんも今きたところだったのか、廊下の奥から姿が見えた。


「美虎ちゃん、おはよう」


「鈴蘭……おはようっ……」


 名前を呼ぶと、笑顔で駆け寄ってきてくれた美虎ちゃん。今日も、美虎ちゃんはとびっきり可愛い。


「……げ」


 だけど、私の周りにいるみんなに気づいてその笑顔は歪な表情へと変わった。


 司空さんと夜明さんを見て、あからさまに嫌そうな顔をしている美虎ちゃんに苦笑い。


 美虎ちゃんの男の人嫌いは相変わらずみたい。


 教室でも、雪兎さん以外の男の子とは一切口を聞かないし、向こうも美虎ちゃんの男の人嫌いを察してか、近づいてはこなかった。