魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

だけど……視線が気になって、会話に集中できない。


もともと、目立つことが嫌いで、できるだけ目立たないようにと人目を避けて生きてきた。


怖くて、足がすくんでしまいそう。


「鈴蘭……大丈夫?」


いつも通りに振るまっているつもりだったけど、心配そうな美虎ちゃんを見て、不安を顔に出してしまっていたことに気づいた。


「う、うん!」


ダメダメ、しっかりしなきゃ……。


ふたりに、余計な心配かけたくない……。


「別に、平気なフリなんかしなくていい」


「……え?」


雪兎さんの言葉に、驚いて顔を上げた。


「辛い時は辛いって言え。弱みも見せんのが、ダチじゃないのかよ」


雪兎さん……。